高齢者のためのバスの乗り方 - 安心して乗るコツとシルバーパス

この記事は約 3 分で読めます 最終更新日: 2026-08-09

高齢者のバスの乗り方 - 大切なのは「あわてない」こと

「乗るとき転ばないか」「降りそこねないか」「小銭がうまく出せるか」。高齢の方がバスの乗り方で感じる不安の多くは、ほんの少しの準備と、あわてないための小さなコツで解消できます。バスは駅の階段やホームまでの長い移動がなく、家の近くから乗れる、足腰にやさしい乗り物です。コツさえつかめば、買い物や通院、お出かけの心強い味方になってくれます。

この記事では、乗る前の準備から車内での過ごし方、降りるときの動作まで、安心につながる工夫を順にご紹介します。あわせて、東京都にお住まいの 70 歳以上の方が使える東京都シルバーパス制度についても、公式の案内で確認できた範囲でまとめました。ご本人はもちろん、離れて暮らすご家族が「うちの親にどう伝えようか」と考えるときにも役立つ内容です。

乗る前の準備 - ゆとりが安心のもと

安心の 8 割は、バスに乗る前の準備で決まります。出かける前に、次の 3 つを整えておきましょう。

  • 時間にゆとりを持つ - 停留所には発車の 5 分前を目安に着くようにしましょう。小走りでバスを追いかけるのがいちばん危険です。「1 本逃しても次がある」と思える余裕が、何よりの安全対策になります。
  • IC カードを用意する - 運賃の支払いは、小銭を数えるより IC カードをタッチするほうがずっと簡単で、財布を開けたまま立っている時間もなくなります。残高だけは出かける前に確かめておきましょう。
  • のりばを確かめる - 同じ名前の停留所でも、行き先によってのりばが分かれていることがあります。初めての場所では、標柱に書かれた系統と行き先を落ち着いて確かめてください。詳しくはバス停ののりばの探し方で解説しています。

持ち物は、両手が自由になるように肩掛けかばんやリュックにまとめるのがおすすめです。片手はいつでも手すりを持てるように空けておきましょう。

乗るとき・車内でのコツ

都営バスは前の扉から乗り、乗るときに運賃を支払う方式です (基本の流れは都営バスの乗り方ガイドをご覧ください)。乗車の際は、次の点を心がけると安心です。

  • 手すりを持って、一段ずつ - 乗り込むときは必ず手すりをつかみ、足元を確かめながら進みましょう。急ぐ必要はありません。運転士は乗客が乗り終わるのを待ってから扉を閉めます。
  • まず座席へ、そして深く腰かける - バスは発車や停車のときに揺れます。乗ったらまず近くの席に座りましょう。出入口に近い場所には優先席が設けられていることが多いので、遠慮なく利用してください。
  • 席が空いていないときは、手すりかつり革を - 立って乗る場合は、進行方向に対して体を安定させ、両足を少し開いて立つと揺れに耐えやすくなります。
  • 座ったままで支払いの準備を - 降車が近づいてから立ち上がってかばんを探るのは転倒のもとです。支払いは乗車時に済んでいるので、降りるときに慌てて財布を出す必要はありません。

降りるときのコツ - 降車ボタンは早めに、立つのは停まってから

降りるときの動作は、次の 2 つだけ覚えてください。

  1. 降車ボタンは、ひとつ前の停留所を出て車内放送が流れたら押す - 「次は◯◯」という放送を聞いたら、早めに降車ボタンを押しましょう。押すのが遅れると運転士が停留所を通過してしまうことがあります。座席の近くの壁や手すりにボタンがあるので、座るときに場所を確かめておくと安心です。
  2. 席を立つのは、バスが完全に停まってから - 走行中に立ち上がって移動するのは、車内での転倒事故のいちばんの原因です。バスが停留所に着いて完全に停まるまで、席で待っていて大丈夫です。運転士は降りる方の動きを確認しています。

「早く降りなければ迷惑になるのでは」と気にされる方が多いのですが、その心配はいりません。あわてて立つことのほうが、ご本人にも周りにも危険です。ゆっくり、確実に。それがいちばんスムーズな降り方です。

体にやさしい設備を知っておく

路線バスの車両や停留所には、体への負担を減らす設備が用意されています。知っておくと、バスがぐっと身近になります。

  • ノンステップバス - 床が低く、乗降口に段差がほとんどない車両です。歩道からわずかな段差で乗り込めるため、足の上げ下ろしがつらい方でも乗りやすくなっています。
  • 優先席 - 出入口に近く、立ち座りしやすい位置に設けられた席です。
  • 杖や歩行器と一緒の乗車 - 急がず乗り降りして問題ありません。不安なときは、乗るときに運転士へ一声かけると、発車を待つなどの配慮を受けやすくなります。

「席に座るまで発車を待ってほしい」ということも、遠慮せず運転士に伝えて構いません。声をかけるのは迷惑ではなく、安全のための大切な合図です。

東京都シルバーパスという制度

東京都内にお住まいの高齢の方には、シルバーパスという心強い制度があります。2026 年 8 月時点の公式案内に基づく概要は次のとおりです。

項目内容 (2026 年 8 月時点)
対象東京都内に住民登録のある 70 歳以上の方
使える範囲都営バス、都営地下鉄、都電、日暮里・舎人ライナーのほか、都内の民営バス各社など。高速バスや空港連絡バスなど特別料金のバスは対象外
費用所得に応じて年間 1,000 円または 12,000 円の 2 段階。購入時期によって費用が減額される経過措置も案内されています
有効期間毎年 10 月 1 日から翌年 9 月 30 日まで。発行は年間を通じて受付
発行場所バス会社の定期券発売所など、都内に約 150 か所ある常設窓口。代理人による申し込みも可能
使い方乗車時に乗務員へパスを提示する

費用の区分や必要書類は所得の状況によって変わるため、申し込みの際は東京都シルバーパスのご案内 (公式サイト)でご自身に当てはまる条件を確認してください。70 歳の誕生月から申し込めるので、対象になったご家族がいたら教えてあげるのも良いですね。

まとめ - ご家族と一緒に、一度だけ練習を

バスに安心して乗るコツをひとことでまとめると、「準備はしっかり、動作はゆっくり」です。時間とお金 (IC カードやシルバーパス) を先に整えておけば、車内でやることは「座る」「ボタンを押す」「停まってから立つ」の 3 つだけになります。

そして、いちばん効果があるのは、最初の 1 回をご家族や慣れた方と一緒に乗ってみることです。よく使う路線で一度流れを体験しておくと、2 回目からは自信を持って乗れるようになります。この記事と都営バスの乗り方ガイドを、その練習のお供にしていただければうれしいです。

本記事に記載の運賃・料金は執筆時点の情報であり、その後の改定を反映するものではありません。

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