数字で見る都営バス - 1 日の便数から年に 1 日だけのバスまで

この記事は約 4 分で読めます 最終更新日: 2026-08-10

都営バスの 1 日を、数字でながめてみる

毎日あたりまえのように走っている都営バスですが、その全体を数字でながめてみると、思いがけない姿が見えてきます。都営バスの系統は全部で 151 系統、停留所はおよそ 1,674 か所。そして平日には、1 日に 15,060 便ものバスが東京の街を走ります。1 分あたりに直すと、東京のどこかで毎分 10 本以上のバスが発車している計算です。

この記事では、その 15,060 便の中身を「便数」「路線の長さ」「運行時間帯」「曜日」「運賃」という切り口で、グラフとともに見ていきます。数字はどれも 2026 年 8 月 時点のダイヤに基づくものです。読み終わるころには、いつも乗っているあのバスが少し違って見えるかもしれません。

1 日の便数 - いちばん多いバスは 2〜3 分に 1 本

まずは 1 日の便数です。平日にいちばん多く走るのは、東京駅丸の内北口と錦糸町駅前を結ぶ 東 22 で、1 日 403 便。朝から夜まで通して平均すると、およそ 2〜3 分に 1 本がやってくる計算です。時刻表を確かめなくても「バス停に着けば次が来る」水準で、これはもう動く歩道のような存在といえます。

上位には渋谷駅前と新橋駅前を結ぶ都 01 など、都心の大動脈が並びます。いずれも 1 日 300 便を超え、鉄道の駅と駅のすき間を埋める「もうひとつの路線網」として働いています。

一方、対極にあるのが 練 68 です。平日わずか 4 便、土曜と日曜は走りません。同じ都営バスという制度の中に、1 日 403 便のバスと 4 便のバスが同居している。この振れ幅こそ、路線バスという乗り物の面白さです。

路線の長さ - 片道 29 km、まるで小旅行

次は路線の長さです。いちばん長いのは、花小金井駅北口から青梅車庫までを結ぶ 梅 70 で、片道 29.29 km。停留所の数は 80 にもなります。東京 23 区の東西の幅に匹敵する距離を、路線バスが 1 本で走り切ります。

長さの上位は青梅地区の系統がほぼ独占しています。鉄道の駅が少ない地域では、バスが幹線交通そのものだからです。所要時間で見ると、いちばん長い便は 池 86 の 119 分。ほぼ 2 時間の「バスの旅」で、映画 1 本ぶんの時間をバスに揺られることになります。

反対にいちばん短いのは 学 06 の 1.64 km。東京大学の構内を走る系統で、歩けば 20 分あまりの距離ですが、通学や通院の足としてきちんと役割を持っています。長さ 29.29 km と 1.64 km、その差はおよそ 18 倍です。

朝から夜まで - 始発 5 時 2 分、最終 23 時 39 分

都営バスの 1 日は、夜明け前から始まります。いちばん早い始発は 市 01 の 新橋駅前 5:02 発。市場へ向かう人たちを乗せて、まだ暗いうちに走り出します。1 日の終わりを締めくくるのは 都 02 で、最終便が 大塚二丁目 に着くのは 23:39 です。

その 都 02 は、始発から最終までの「営業時間」がいちばん長い系統でもあります。朝 5:52 から夜 23:39 まで、実に 17 時間 47 分。1 つの系統が 1 日のほとんどの時間、街のどこかを走っていることになります。

面白いのはその反対側で、陽 12-2 は 6:35 から 9:56 までの朝だけの系統です。通勤・通学の波に合わせて朝しか走らない、いわば「朝専用のバス」。始発や最終の調べ方は始発・最終バスの調べ方で詳しく紹介しています。

曜日で変わる - 日曜は平日より 3,500 便あまり少ない

同じ路線でも、バスの本数は曜日で大きく変わります。1 日の総便数は平日 15,060 便に対して、土曜は 12,855 便、日曜は 11,531 便。日曜は平日より 3,500 便あまり少なく、全体のおよそ 4 分の 1 が「平日だけの便」ということになります。

通勤・通学の足である以上、平日に厚くなるのは自然なことですが、系統ごとに見るとまた違う表情があります。平日しか走らない系統がある一方で、動物園や観光地へ向かう路線のように休日しか走らない系統もあり、中には日曜のほうが平日より便が多くなる系統まであります。ダイヤは曜日ごとの街の暮らしを映す鏡です。お出かけの前に、その日の曜日の時刻表を確かめるのが確実です。

365 日同じバスと、年に 1 日だけのバス

ここからは、数字が教えてくれた「へぇ」と言いたくなる話をふたつ。

ひとつめは江東 01 です。潮見駅前を発着するこの循環系統は、平日も土曜も日曜も、祝日もお盆も元日も、1 年 365 日まったく同じ時刻表で走ります。毎日 17 便、朝 9:00 の始発から 17:25 の最終まで。全 151 系統の中で、1 年を通じて時刻表が 1 分も変わらないのはこの系統だけです。「元日も、今日と同じ 9 時ちょうどに来る」。時刻表が季節でめまぐるしく変わるバスの世界では、これはかなり珍しいことです。

ふたつめは、その正反対の物語です。東大島駅前を発着する AL01 という系統は、1 年のうち 8 月 15 日の 1 日だけ、22 便を走らせます。そしてもうひとつ、品川駅港南口をめぐる品 99 は、1 年のうち 364 日走り、休むのは 8 月 15 日のただ 1 日だけ。つまりこの 2 つの系統は、同じ 1 日を境に、片方だけの年 1 度の出番と、もう片方だけの年 1 度の休みがすれ違う「鏡像」の関係にあります。ダイヤの数字を隅々までながめて初めて見つかる、小さな偶然です。

運賃の意外 - 210 円均一のはずが、650 円の区間がある

「都営バスは大人 210 円の均一運賃」。23 区内で乗るぶんには、そのとおりです。ところが路線網全体を見わたすと、話はそれほど単純ではありません。青梅地区の 梅 74 甲 には、乗る距離に応じて運賃が変わる区間があり、いちばん高い区間は 650 円。均一運賃の 3 倍を超えます。

運賃の段階は全体で 44 種類あり、100 円から 650 円まで並びます。「都営バス = 均一運賃」という思い込みは、23 区の中だけで成り立つ姿だったわけです。運賃の支払い方や割引については都営バスの運賃と支払い方法にまとめています。

数字を知ると、バスを待つ時間が少し楽しくなる

1 日 15,060 便、いちばん長い路線は 29.29 km、いちばん早い始発は 5:02、そして年に 1 日だけ走るバス。数字でながめた都営バスは、毎日の風景の中に意外な物語をいくつも隠していました。バス停で次のバスを待つあいだ、「このバスは今日、何便目だろう」と考えてみるのも一興です。

そして、いま自分が待っているバスがどこを走っているかは、都バスどこのトップページでバス停名を選ぶだけで確かめられます。数字で全体像をつかんだら、次は目の前の 1 本を。この記事が、いつものバスをちょっと面白がるきっかけになればうれしいです。

本記事の数値は 2026 年 8 月 時点のダイヤに基づく当サイト調べです。その後のダイヤ改正や運賃改定は反映していません。

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