車椅子で都営バスに乗る - 事前連絡や乗車スペースの疑問に答えます

この記事は約 4 分で読めます 最終更新日: 2026-09-16

都営バスは全車ノンステップ - 車椅子スペースとスロープがあります

車椅子で都営バスに乗れるのかという問いには、東京都交通局の公式案内がはっきり答えています。交通局は「平成 24 年度末に全ての車両をノンステップバスとしました」と説明し、あわせて「これらのバスには、車いすスペースも確保し、スロープを利用すれば車いすをご使用のお客様もより容易にご乗車いただけます」と案内しています。つまり車椅子のまま乗ることを前提にした設備が、都営バスの車両には備わっています。2026 年 9 月時点の公式案内で、乗る前の確認を求められているのはハンドル形電動車椅子だけです。

ノンステップバスとは、どなたでも容易に乗り降りできるよう床面の高さを約 30cm とし、ステップをなくした車両を指します。導入状況として公表されている両数は、2025 年 4 月 1 日時点で 1,447 両です (江東区コミュニティバス「しおかぜ」を除く)。段差の小さい低い床と、車椅子スロープ、そして車椅子スペースという 3 つがそろっている、と押さえておけば十分です。

この記事では、車椅子を使う方やご家族から実際によく出る疑問を、公式案内で確認できた範囲だけに絞って整理します。まず答えを一覧にしておきます。

よくある疑問2026 年 9 月時点の公式案内で確認できること
車椅子のまま乗れるか車椅子スペースを確保しており、スロープを利用すればより容易に乗車できる、と案内されています
事前の連絡は必要か乗車前の確認を求める記載があるのは、ハンドル形電動車椅子です
車内のどこに乗るか車椅子とベビーカーを固定する場所が、1 台に 2 か所あります
運賃は安くなるか身体障害者手帳をお持ちの方とその介護者は、普通運賃が 50% 割引になります
声が届きにくいときは全車両に筆談具が、営業所には筆談器が設置されています

事前の連絡は必要か - 確認を求められているのはハンドル形電動車椅子

検索でもよく見かける「事前連絡は必要か」という疑問について、公式案内が乗る前の確認を求めているのはハンドル形電動車椅子です。交通局は「さらなる安全運行の確保を目的として、事前に営業所で乗車確認を行い、安全の確認ができたハンドル形電動車椅子はご乗車いただけます」と案内しています。確認の窓口は限られていません。「乗車確認は、都営バスの全営業所で行っておりますので、ご希望の場合は、営業所へお電話いただくか、こちらのフォームからご連絡ください」とあり、電話でも Web のフォームでも申し込めます。

いっぽうで、手動の車椅子やハンドル形にあたらない電動車椅子について、乗る前の連絡を求める記載は公式案内には見当たりません (2026 年 9 月時点)。ただし「連絡は不要」と明記されているわけでもありません。お手持ちの車椅子がハンドル形にあたるかどうかを自分で判定しようとするより、迷ったらそのまま営業所に伝えて確認してもらうほうが確実です。確認の有効期間や、車椅子を買い替えたときに再度必要かどうかは公式案内に記載がないため、申し込むときにあわせて営業所へ尋ねておくと確実です。

確認の申し込み方法や連絡先は、東京都交通局のバリアフリーの取組み (バス)のページにまとまっています。案内の内容は改定されることがあるため、出かける前に公式のページを開いて記載を確かめてください。

車内で固定できる場所は 2 か所 - ベビーカーとの共用です

「車椅子スペースはどこにいくつあるのか」も気になるところです。公式案内には「車内で、車いす・ベビーカーを固定する場所は 2 か所です」と書かれています。ここで大事なのは、この 2 か所が車椅子とベビーカーの共用であるという点です。専用に 2 か所あるわけではないので、混み合う時間帯や子育て世代の利用が多い路線では、先に乗った方が使っていて空いていないことも起こり得ます。

もし固定する場所が空いていない場合にどうなるかは、車椅子の側について公式に定められた案内が見当たりません。公式の記載が無い部分はその場の状況に応じた対応になるため、あらかじめ「必ず乗れる」とも「必ず次の便になる」とも決めつけずに、時間に余裕を持って出かけるのが現実的な備えになります。路線の起点に近い停留所から乗れる場合は車内が空いていることが多く、落ち着いて乗り降りしやすくなります。

のりばが道路の反対側や少し離れた場所に分かれているバス停もあります。段差や横断の手間を含めて経路を考えたいときは、バス停ののりばの探し方もあわせてご覧ください。都バスどこのトップページでは、のりばごとの到着見込みを地図で確かめられるので、待ち時間の見当をつけたいときに役立ちます。

乗るときや降りるときに困ったら - 声がけと筆談具

スロープを誰がどう扱うのか、車内でどのように固定するのか、運賃はどの時点で払うのかといった車椅子利用者向けの細かな手順は、公式案内には書かれていません。ここは推測で補うところではなく、その場で乗務員に伝えるのが確実だと考えてください。バスが停まったら乗りたいことを伝え、降りるバス停も早めに伝えておくと、車内の状況に合わせて動いてもらいやすくなります。

声が届きにくい方や話すことが難しい方のための備えもあります。交通局は「全車両に筆談具を、営業所には筆談器を設置し、お客様との円滑なコミュニケーションが図れるよう配慮しています」と案内しています。全車両にあるという点が心強いところで、行き先や降車したい停留所を書いて示せば、口頭のやり取りに頼らずに用件を伝えられます。あらかじめ行き先を書いたメモを用意しておくのも、落ち着いて乗るための工夫です。

運賃の支払いや降車の合図そのものは、ほかの乗客と同じです。東京 23 区内の路線は前の扉から乗って乗るときに支払い、多摩地域の路線は後ろから乗って降りるときに支払います。全体の流れは都営バスの乗り方ガイドにまとめてあります。案内に書かれていないことや、特定の路線での不安については、営業所や東京都交通局のお客様センターへ直接尋ねるのが早道です。連絡先は公式サイトの案内ページに掲載されています。

運賃の割引 - 身体障害者手帳をお持ちの方と介護者の方

運賃については、割引の制度がはっきり定められています。2026 年 9 月時点の公式案内では、身体障害者福祉法第 15 条第 4 項の規定により交付を受けた身体障害者手帳を所持する方とその介護者の方は、普通運賃が 50% 割引、定期運賃が 30% 割引です (定期運賃は豊洲 01 系統指定定期券を除く)。介護者の方まで割引の対象に含まれる点は見落とされやすいので、付き添いの方と 2 人で出かける場合は覚えておくと役立ちます。

手帳を見せる場面は、支払い方法によって変わります。公式案内は「障がい者用 IC カード以外の IC カードの SF 引去り又は現金でご利用の場合、乗車時 (多摩地域では降車時) に、身体障害者手帳 (マイナポータル連携済みのミライロ ID アプリを含む) をご呈示のうえ、乗務員までお申し出ください」と説明しています。多摩地域で降車時になるのは、東京 23 区内と支払いの順序が違うためです。

  • 現金や障がい者用以外の IC カードで払う場合 - 乗車時 (多摩地域では降車時) に手帳を呈示して乗務員に申し出ます
  • 定期券で乗る場合 - 手帳の呈示は不要です。ただし同伴する介護者の方に割引運賃を適用するときは呈示します

紙の手帳を取り出しにくいときのために、マイナポータル連携済みのミライロ ID アプリも手帳と同じ扱いになると明記されています。スマートフォンの画面で示せるので、乗車口での動作が少なくて済みます。

このほか、都内在住の身体障害者や知的障害者、生活保護世帯の方などを対象に「都営交通無料乗車券」が発行されています。対象や申請の窓口は福祉の制度とかかわるため、東京都交通局の援助や配慮の必要なお客様へのページで条件を確かめてください。

出かける前の下調べと、もう一歩知りたいときの入口

不安を減らす一番の方法は、当日ではなく前日までに調べておくことです。交通局は、車椅子やベビーカーを使う方が乗り換えしやすい経路を検索できるサイトを、援助や配慮に関する公式の案内ページで紹介しています。鉄道とバスを乗り継ぐ長い移動では、乗換地点の設備を先に把握しておくと当日の判断が楽になります。

周囲に配慮が必要であることを伝えたいときのために、交通局はヘルプマークを配布しています。声をかけづらい混雑した車内でも、身につけていれば周りの人が気づく手がかりになります。配布の窓口は公式のページで確認できます。

読み終えたあとの動き方を整理すると、次の 3 つになります。ハンドル形電動車椅子を使っている場合は、最初の外出より前に営業所へ乗車確認を申し込みます。運賃の割引を使う場合は、手帳やミライロ ID アプリを乗車口で示しやすいように用意します。そして固定できる場所が 2 か所しかないことを踏まえて、時間に余裕を持った便を選びます。

車両の仕組みそのものをもう少し知りたい方はノンステップバスの用語解説へ、足腰への負担を減らす乗り方を知りたい方は高齢の方向けのバス利用のコツへ進むと、この記事の続きとして読めます。乗り降りや支払いの基本を最初から確かめたい場合は都営バスの乗り方が入口になります。

本記事に記載の運賃や料金は執筆時点の情報であり、その後の改定を反映するものではありません。

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