都営バスの乗り継ぎと運賃 - 乗継割引は終わり、回数で支払い方を選ぶ

この記事は約 5 分で読めます 最終更新日: 2026-09-11

都営バスの乗り継ぎに割引はない - 運賃は 1 乗車ごと

目的地まで都営バスを乗り継ぐとき、運賃はどうなるのでしょうか。答えは単純で、乗り継いでも割引はなく、運賃は 1 乗車ごとにかかります。東京 23 区内は均一運賃で、2026 年 9 月時点の一般系統は大人 210 円 (IC カードも 210 円) ですから、2 回乗れば 420 円、3 回乗れば 630 円と、乗った回数の分だけそのまま積み上がります。バス停で乗務員に申し出ると 2 本目が安くなる、という仕組みは残っていません。

かつては IC カードで乗り継いだ 2 乗車目が安くなる乗継割引がありましたが、2021 年 9 月 30 日をもって終了しました。さらに「乗継券」「乗り継ぎ券」という言葉で紙の券を探している方もいるかもしれませんが、そちらの制度が終わったのはもっと前の 2010 年です。検索候補にこれらの言葉が残っているのは、終わった制度の記憶が引き継がれているためです。

では乗り継ぎの多い日をどう乗り切るか。結論を先に言えば、1 日に 2 回までなら IC カードの都度払い、3 回以上なら一日乗車券、毎日乗るなら定期券、という三択に整理できます。都営地下鉄や都電と乗り継ぐ日は、これに加えて ToKoPo のポイントが付きます。まずは終わった制度を片付けてから、この選び方を順に見ていきます。

無くなった 3 つの仕組み - 乗継割引カード / 回数券 / IC 乗継割引

都営バスで運賃が安くなる仕組みは、三段階で姿を消しました。どれが何年に終わったのかを押さえておくと、検索で古い解説に当たったときにも迷いません。

仕組み中身終了
都営バス専用乗継割引カード乗り継ぎ時に使う専用カード (制度の内容は公式ページに現存せず)2010 年 3 月 31 日 発売終了 / 同年 7 月 31 日 利用終了
回数乗車券額面より安くまとめ買いできる券2020 年 3 月 31 日 発売終了 (発売済みの券は引き続き利用可)
都営バス乗継割引 と バス利用特典サービス (バス特)IC カードでの乗り継ぎ割引と、バスポイントおよび特典バスチケットの付与2021 年 9 月 30 日 終了 (ToKoPo へ統合)

もっとも古いのが紙の乗継割引カードです。東京都交通局の案内によれば、都営バス専用乗継割引カードは 2010 年 3 月 31 日をもって発売を終了し、同年 7 月 31 日をもって利用も終了しました。

二つめが回数乗車券です。交通局は 2019 年 12 月の発表で、4,500 円 (210 円券 25 枚) と 1,000 円 (110 円券 10 枚) と 1,000 円 (90 円券 12 枚) の発売を 2020 年 3 月 31 日で終えると告知しました。理由として挙げられているのは、大多数の利用者が IC カードを使い、回数乗車券の利用が少なくなっている状況です。同じ発表で、発売済みの回数乗車券は 2020 年 4 月 1 日以降も引き続き利用できると明記されています。

三つめが IC カードの乗継割引と、バス特の名で知られたバス利用特典サービスです。両方とも 2021 年 9 月 30 日で終わり、翌 10 月 1 日からは都営交通のポイントサービス ToKoPo に統合されました。交通局は統合に際して、バスのみの乗車もポイント対象に広げ、東京さくらトラム (都電荒川線) の基本ポイントを上げ、地下鉄からバスなどの乗継ボーナスポイントを大幅に上げると説明しています。つまり値引きという形はやめて、ポイント還元にまとめ直したわけです。

1 日に何回乗るかで支払い方を選ぶ

乗継割引が無いのなら、判断の軸は「その日に何回乗るか」だけになります。2026 年 9 月時点の大人運賃 210 円と、都営バス一日乗車券の 500 円を並べると、境目は 3 回目にあります。

1 日の乗車回数IC カードで都度払い (大人)一日乗車券 (大人)安いのは
1 回210 円500 円都度払い
2 回420 円500 円都度払い
3 回630 円500 円一日乗車券
4 回840 円500 円一日乗車券

行きと帰りで 2 回、あるいは途中で 1 本乗り換えて 2 回という日は、IC カードでそのまま払うのがもっとも安く済みます。420 円と 500 円の差は 80 円ですから、券を買いに行く手間まで含めれば迷う余地はありません。小児も同じ形で、IC 運賃 105 円が 3 回で 315 円となり、小児の一日乗車券 250 円を超えます。大人も小児も、境目は 3 回目という覚え方で足ります。

3 回以上乗る日は一日乗車券が有利です。23 区内の都営バスを 1 日に限って何回でも利用できる券で、江東 01 系統だけが対象外という条件が付きます。券の種類や購入方法、付いてくる特典は都営バス一日乗車券の記事にまとめていますので、買い方から知りたい方はそちらをご覧ください。観光や買い物で複数の系統をつなぐ日、あるいは同じ路線を往復してさらに用事を足す日は、朝のうちに一日乗車券へ切り替えておくと支払いのたびに残額を気にせずに済みます。

毎日の通勤や通学で乗り継ぐのであれば、回数ではなく通用期間で考える定期券が候補になります。定期券は使う日数が多いほど 1 日あたりの負担が下がる仕組みですから、乗り継ぎが日常であれば運賃表ではなく定期券の額を基準に計算したほうが実態に合います。通用する範囲や金額は種類によって異なりますので、購入前に東京都交通局の案内で確認してください。

乗り継ぎの見返りはポイントへ - ToKoPo という仕組み

乗継割引とバス特が終わったあと、その役割を引き継いだのが ToKoPo です。2026 年 9 月時点でも続いている都営交通の会員制ポイントサービスで、入会金と年会費はかかりません。記名 PASMO のチャージ残額で乗車するたびにポイントが貯まり、貯まったポイントは 10 ポイント 10 円単位で PASMO にチャージして使えます。運賃そのものが安くなるわけではなく、あとから戻ってくる形だという点が乗継割引との違いです。

乗り継ぎに関係するのが乗継ボーナスです。交通局の説明では、都営地下鉄や都営バス、東京さくらトラム (都電荒川線)、日暮里・舎人ライナーといった都営交通の 4 事業のうち、1 日の間に 2 事業以上に乗車した場合に、乗車日数に応じてポイントが付きます。ここで見落としやすいのは、都営バスから都営バスへ乗り継いだだけでは、この条件を満たさないという点です。地下鉄からバスへ、あるいはバスから都電へと乗り物の種類をまたいだ日が対象になります。

使い始めるときの注意点をいくつか挙げます。ポイントの付与対象になるのは、あらかじめ登録した PASMO での乗車です。記名式 PASMO は記名 PASMO と PASMO 定期券を指すため、Suica を使っている方は ToKoPo のために PASMO を用意することになります。定期区間内の乗車は原則としてポイントの対象外で、キャンペーン時に対象となる場合があります。付与の時期も即時ではなく、1 か月間の乗車実績に基づいて翌月 15 日に付きます。

ポイントを PASMO に移すためのポイントチャージ取扱機は、都営地下鉄の各駅と日暮里・舎人ライナーの各駅に置かれています。ただし都営地下鉄でも押上駅と目黒駅、白金台駅、白金高輪駅、新宿線新宿駅には設置されていません。制度の詳細や付与条件の改定は東京都交通局の ToKoPo のページで確認してください。

手元の回数券と特典バスチケットはどうなるのか

制度が終わったからといって、手元にあるものが紙くずになったわけではありません。引き出しに眠っている回数乗車券は、発売終了後も引き続き利用できると交通局が明記しています。券の入れ方や不足額の扱いで迷うときは、乗るときに乗務員へ見せて尋ねるのが早道です。枚数が多く残っている場合は、東京都交通局のお客様センターに扱いを確認しておくと安心です。

もうひとつ、意外に見落とされているのがバス特の特典バスチケットです。付与そのものは 2021 年 9 月 30 日で終わりましたが、付与済みの特典バスチケットは付与された日から 10 年間有効とされています。最後の付与が 2021 年 9 月 30 日ですから、その日に付いた分は 10 年後まで有効ということになります。長く使っていない IC カードに残っている可能性もあるわけです。

特典バスチケットの使われ方には、知っておくと納得できる特徴があります。交通局の説明では、IC 運賃額を上限として 10 円単位で、チャージ残額よりも優先して自動的に運賃の支払いに使われます。自分で操作して使うものではないため、乗ったときに引かれる金額が運賃より少なくても間違いではありません。さらに、特典バスチケットの累積額や使用額は利用履歴に表示も印字もされないと明記されています。履歴を見て「残高が合わない」と感じる原因はここにあることが多いので、IC カードでの支払いの基本を確かめたい方は都営バスの運賃と支払い方法の記事も合わせてご覧ください。

乗り継ぎで損をしないための実務

運賃の話が片付いたら、あとは当日に慌てないための備えです。乗り継ぎで時間と気力を削られる原因は、運賃よりもむしろ次の三つに集まります。

  • のりばの位置。同じ名前のバス停でも、方向や系統によってのりばが道路の反対側や少し離れた場所にあります。乗り継ぐ系統のりばがどこかを先に調べておくと、乗り換えの数分が読めます。探し方はバスのりばの見つけ方の記事にまとめています。
  • 次の 1 本までの待ち時間。時刻表どおりに来るとは限らないため、乗り継ぎ地点で 接近情報を見られるようにしておくと安心です。都バスどこのトップページ (/) では、走っているバスの位置とのりば別の到着見込みが地図で見られます。
  • IC カードの残額。乗り継げばその回数分の運賃が引かれますので、2 回や 3 回乗る日は残額に余裕を持たせておきます。ポイントを当てにするのではなく、乗る前のチャージで解決するのが確実です。

最後に、判断のしかたをもう一度まとめます。2026 年 9 月時点で、都営バスに乗継割引はありません。今日 2 回までなら IC カードでそのまま払い、3 回以上乗る見込みが朝の時点であるなら一日乗車券に切り替え、毎日乗るのであれば定期券の額と比べる、という三択です。都営地下鉄や都電も使う日は、ToKoPo に登録した記名 PASMO で乗ればポイントも受け取れます。

本記事に記載の運賃や料金は執筆時点の情報であり、その後の改定を反映するものではありません。

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