都営バスにベビーカーで乗る方法 - たたまずに乗れる条件と固定の手順

この記事は約 5 分で読めます 最終更新日: 2026-09-08

ベルトで固定すれば、子どもを乗せたまま乗れます

ベビーカーにお子様を乗せたまま都営バスに乗れるのか。バス停へ向かう前に確かめておきたいのは、まずこの一点でしょう。2026 年 9 月時点の東京都交通局の案内では、車内に備え付けられた緑色または青色のベルトでベビーカーを固定することで、たたまずに、お子様を乗せたまま乗車できます。二人乗りベビーカーも対象で、タテ型は一人乗りと同じ手順、ヨコ型は乗務員に声をかけてから乗る別の手順が用意されています。

ただし「どんなときでもたたまなくてよい」というわけではありません。車内でベビーカーを固定できる場所は 1 台に 2 か所しかなく、しかも車いすの利用者と共用です。すでに埋まっているときや、混雑してベビーカーが通れないときは、折りたたむか次のバスを待つことになります。つまり、たたまずに乗れるのは条件付きだと考えておくのが実際に近いです。

そこでこの記事では、乗る前に確かめておくこと、一人乗りとヨコ型二人乗りで異なる固定の手順、そして折りたたみをお願いされる場面を、公式の案内に沿って順に整理します。手順そのものは一人乗りで 5 段階、ヨコ型二人乗りでも 7 段階ほどで、一度覚えてしまえば毎回迷うものではありません。

乗る前に確かめること - 固定できる場所は 1 台に 2 か所

ベビーカーでの乗車がうまくいくかどうかを左右するのは、手順の細かさよりも、その便に固定できる余地が残っているかどうかです。乗る前に押さえておきたい点は 3 つあります。

  • 固定できる場所は 1 台に 2 か所: 2026 年 9 月時点の案内では、車内で車いすやベビーカーを固定する場所は 2 か所とされています。車いすの利用者と共用のため、先に固定されている場合はその便では固定できません。
  • ベビーカー側の装備: シートベルトと車輪のストッパーが付いていることが前提です。どちらかが備わっていないベビーカーや、折りたたまないと乗車できない幅の広いベビーカーは、たたんでの乗車になります。
  • 車内で向きを変えられるか: 通路をふさいでしまうベビーカーや、車内で転回できないベビーカーを使っているときは、乗車を遠慮するようお願いされる場合があります。

2 か所が埋まっていたときにどうするかも、あらかじめ決めておくと慌てません。公式の案内は、その場合は「ベビーカーを折りたたむか、次のバスをご利用ください」としています。たたまずに乗りたいのであれば、次の便を待つ判断が必要になるということです。

待つと決めたときに気になるのは、次のバスがどれだけ先かという点でしょう。時刻表から読み取れる運行間隔に加えて、都バスどこのトップページでは、のりばごとの到着見込みを地図とあわせて見られます。間隔が短い時間帯なら 1 本見送る負担は小さく、逆に日中の間隔が開く路線では、たたんで乗る前提で支度をしておくほうが現実的です。

一人乗りベビーカーの手順 - 前の扉から乗り、緑色のベルトで固定

一人乗りベビーカーと、前後に座席が並ぶタテ型二人乗りベビーカーは、同じ手順で乗ります。使うのは座席のひじ掛けから下がっている緑色のベルトです。2026 年 9 月時点の公式の案内では、流れは次のようになっています。

  1. 前の扉から前向きで乗車し、そこで運賃を支払います。東京 23 区内の路線は前乗りで先払いですが、多摩地域の路線は中ほどの扉から乗り、降りるときに支払う形なので、乗る扉が変わります。
  2. 車内では、ベビーカーを進行方向の後ろ向きにして、指定の座席に横付けします。向きを変えたら、車輪のストッパーをロックします。
  3. 座席のひじ掛けの黒い部分からぶら下がっている緑色のベルトで、ベビーカーを固定します。カチッと差し込んで止めるタイプもあります。
  4. 走行中は手すりやつり革につかまり、ベビーカーをしっかりと押さえます。ベビーカー自体のシートベルトも忘れずに着用させます。
  5. 降りるときは、バスが停まってからベルトを外し、車輪のロックを解除して、中ほどの扉から後ろ向きで降車します。

手順のうち、慣れないうちにつまずきやすいのは 2 番目と 3 番目です。ベビーカーの向きについて公式は理由を明記していませんが、進行方向に背を向ける後ろ向きが指定の向きです。緑色のベルトは指定の座席に取り付けられていて、2 座席が対象です。留め方が分からないときは、その場で自分で解決しようとせず乗務員に伝えれば案内してもらえます。乗降そのものの流れに不安があれば、都営バスの乗り方の基本もあわせて確認しておくと落ち着いて動けます。

ヨコ型二人乗りベビーカーの手順 - 乗務員に声をかけてから中扉へ

子ども 2 人が横に並ぶヨコ型二人乗りベビーカーは、幅がある分だけ固定のしかたが変わり、乗務員の手を借りて座席をたたむところから始まります。都営バスでは 2020 年 9 月に 5 路線で試行が始まり、2021 年 6 月 7 日に全路線へ拡大されました。発表時点の対象は全路線 (131 系統) で、2026 年 9 月時点の案内でも路線による制限は示されていません。

  1. まず前の扉のところで乗務員に声をかけます。自分で乗るのが難しいと感じるときは、その旨も一緒に伝えれば乗務員が補助します。
  2. 中ほどの扉から、前向きで乗車します。一人乗りと違い、乗る扉は中扉です。
  3. 乗務員が固定のスペースを作るため、座席を 2 つ折りたたみます。
  4. 指定の座席の位置に後ろ向きで横付けし、車輪のストッパーをロックします。
  5. 手すりからぶら下がっている青色のベルト 2 本を使い、ベビーカーの 2 か所を固定します。運賃を支払うのは、この固定が済んだあとです。
  6. 走行中は手すりやつり革につかまり、ベビーカーを押さえます。降りるときは中ほどの扉から後ろ向きで降車します。

ベルトの本数と支払いのタイミングが一人乗りと入れ替わる点が、いちばんの違いです。順番を取り違えやすい箇所なので、固定を終えてからで構わないと覚えておくと迷いません。使い方に迷ったときも、乗務員が説明してくれます。

一人乗りとヨコ型二人乗りの違い (2026 年 9 月時点)
項目一人乗り / タテ型二人乗りヨコ型二人乗り
乗る扉前の扉 (多摩地域は中ほどの扉)中ほどの扉
乗務員への声がけベルトの扱いに迷ったとき乗る前に前の扉で必ず
使うベルト座席のひじ掛けの緑色のベルト手すりの青色のベルト 2 本
運賃の支払い乗車したとき固定を終えたあと
降車中ほどの扉から後ろ向き中ほどの扉から後ろ向き

折りたたんでの乗車をお願いされる 4 つの場面

ここがこの話のいちばん誤解されやすいところです。ベルトで固定して乗れるという案内は、いつでもたたまずに乗れるという意味ではありません。2026 年 9 月時点の公式案内は、折りたたんでの乗車になる場面を 4 つ挙げています。

  1. 折りたたまないと乗車できない幅の広いベビーカーや、シートベルトやストッパーが付いていないベビーカーを使っているとき。
  2. すでに車いすやベビーカーの利用者が乗っていて、乗車位置が空いていないとき。
  3. 混雑していて、ベビーカーが通れないとき。
  4. 荷物用のカートとして使っているベビーカーを持ち込むとき。

さらに、車内の通路をふさいでしまうベビーカーや、車内で向きを変えられないベビーカーを使っているときは、乗車を遠慮するようお願いされる場合があるとも書かれています。ベビーカー選びの段階で、たたんで持てるかどうか、車内で回せる大きさかどうかを見ておくと、当日の選択肢が広がります。

4 つのうち、当日いちばん起こりやすいのは 2 番目と 3 番目でしょう。どちらも自分の準備では避けきれず、その便の状況で決まります。だからこそ、たたんで抱っこひもに移す用意をしておくか、1 本待てる時間の余裕を持っておくか、どちらかを事前に決めておくのが実際的な備えになります。混雑そのものへの向き合い方は混んだバスでの過ごし方も参考になります。

固定用の座席は「ベビーカー専用席」ではありません

もうひとつ、乗ってから戸惑いやすいのが固定用の座席の扱いです。よくある質問への交通局の回答によれば、ベビーカー固定用の座席には表示と補助ベルトが設置されていますが、ベビーカー専用の座席ではありません。つまり、ほかのお客様が座っていても不思議ではない席であり、公式の説明でも、お客様が着席したままベビーカーを固定する場合があるとされています。その際は乗務員が声をかけるので、安全のために協力してほしいという案内です。

この一文を知っておくと、席に人が座っているのを見て「今日は無理だ」と早合点せずに済みます。座っている方に自分から交渉する必要もありません。声をかける役は乗務員で、こちらは指示に従ってベビーカーを寄せ、ストッパーとベルトを扱えば十分です。

例外はヨコ型二人乗りベビーカーの場合です。固定のために座席を 2 つたたむ必要があるため、公式にはベビーカー 1 台につき 2 席が対象となり、その席に座っているお客様には席を譲るようお願いする旨が明記されています。譲ってもらう前提の手順である分、乗務員への声がけを先に済ませておくことが、周囲との摩擦を避ける近道になります。降車時にひと言お礼を伝えるだけでも、次に乗る親子連れの通りやすさにつながります。

出かける前に - 手順の下調べと、混んだ便の見きわめ

ベビーカーでの乗車は、手順そのものより「その便に固定できる余地があるか」で決まります。出かける前にできることは 3 つに絞れます。使うベビーカーが一人乗りとタテ型かヨコ型かで手順を確かめておくこと、乗る地域が 23 区か多摩地域かで乗る扉が変わることを頭に入れておくこと、そして混み合う時間帯を外せるかどうかを見ておくことです。

お子様の運賃の扱いが気になるときは運賃の支払い方を、のりばの位置や行き先の見分けに不安があるときはのりばの探し方をあわせて読んでおくと、当日の判断が減ります。バス停に着いてから次の便までの待ち時間は、都バスどこのトップページで、のりばごとの到着見込みとして地図から確かめられます。

手順を目で見て確認しておきたい方には、東京都交通局のベビーカーでの乗車方法の案内が役に立ちます。ベルトの留め方や車内での向きを図で示したリーフレットと、動画による説明が用意されています。細かな運用は変わることがあるため、条件や手順を最終的に確かめるときは公式の案内と乗務員の指示に従ってください。

いまのバスの位置を確認する